【ブログ】管理会計導入は経営状況を知るための精密検査
ご覧いただきありがとうございます。今回は管理会計導入(商品別・顧客別採算管理)の必要性と効果について書いていきたいと思います。
そもそも管理会計とは?
一般的に企業が作成する決算書(貸借対照表や損益計算書)は、銀行や税務署といった外部に対して、会社全体の業績を報告するために作成されます。これは「財務会計」と呼ばれます。
一方の管理会計は、社内の経営層や管理職が会社の経営状況をより詳細に把握し、経営判断に活用するために作成します。具体的には、商品別の採算管理(商品ごとの売上や原価、販管費などを集計する。)、事業所・支店別の採算管理、顧客別の採算管理などが該当します。
決算書は会社全体の数字を表しており、これを商品別、事業所別(支店別)、顧客別に分解するというイメージです。
なぜ管理会計が必要なのか?
管理会計は経営状況を的確に把握するために必要になります。
決算書は会社全体の数字を表しています。そのため、経営状況が悪かったとしても、具体的にどこが悪いのかが把握しづらく、改善策を検討しづらいです。管理会計を導入することで、具体的にどの商品で赤字が出ているかといったことが明確になります。商品によっては、原価割れしていて「売れば売るほど赤字になる」といったものがわかるようになります。
どのような効果が期待できるか
①経営戦略の立案に活用できる
経営状況を具体的に把握することによって、改善のための戦略立案に活用できます。
「どの商品の販売に力を入れたら良いか。」「どのような顧客に対する販促活動を強化すればよいか。」といったことの検討に活用することができます。また、原材料高騰に伴う価格交渉の材料や適正価格の設定のために転用することもできます。
②後継者や管理職の育成につながる
後継者や管理職を含めた社内会議で、経営状況の共有と改善策の立案に取り組むことで、利益意識や改善意識を高める効果も期待できます。後継者や管理職の育成にお悩みの経営者にとっては、人材育成に活用することもできます。
③不景気に負けないための財務体質づくり
コロナやリーマンショックといった不景気が一定期間で訪れます。このような不景気でも倒産しない会社にするには借入金を減らし、内部留保を増やすことが重要になります。そのためには、管理会計を導入して利益に直結する業績把握と改善が不可欠です。